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2020.12.07

FSC®️森林認証紙が、今注目される理由とは?

印刷における環境負荷低減の取り組みやエコ用紙のお話などで必ず出てくるのが、FSC®️森林認証紙。「耳にしたことはあるけれど、詳しくは知らない」そんな人のために、今回のコラムではFSC®️森林認証紙をフィーチャーします。紙のことだけではなく、世界の森林資源についても理解できるので、ぜひご一読ください。

世界の森林資源イメージ

世界における森林資源の今

世界にある森林は、今この瞬間もなお減少を続けているという事実があります。地球の陸地面積の約31%を占めている世界の森林面積は、約40億ヘクタールありますが、2000年から2010 年までの10年間に年間1,300万ヘクタールもの森林が失われてしまいました。年間1,600万ヘクタールの減少であった1990年代よりもその速度は緩くなっているものの、依然として広大な面積の森林が失われ続けています。 近年、世界で最も森林が減少しているのは、ブラジル、インドネシア、そしてアフリカの熱帯諸国です。南米、東南アジア、アフリカ地域の熱帯に位置する国々の多くは、熱帯気候と豊富な降水量により国土の大半が森林に覆われていましたが、20世紀に入って急速に森林が失われてきました。その原因となるのが、プランテーションといった農地などへの土地利用の転換、自然回復力に配慮しない非伝統的な焼畑農業、燃料用木材の過剰な採取、森林火災などです。また、違法伐採による持続可能な森林経営がなされていないことも大きな原因となっており、伐採によって立木の密度が低下するなどの森林劣化も大きな問題となっています。

世界の森林資源イメージ

FSC®️森林認証制度とは?

FSC®(Forest Stewardship Council®: 森林管理協議会)森林認証は、世界的な森林の減少・劣化の問題と、グリーンコンシューマリズムの高まりを背景として生まれた、「適切な森林管理」(“Well-Managed”)を認証するための制度です。適切な森林管理を認証され、その森林から収穫された木材や木材製品には、FSC®のロゴマークが付き、消費者に対して認証された製品であることを分かりやすく伝えることが可能。認証された製品が市場に増え、購入が進むことによって、適切に管理される森林が守られ、森林の破壊や劣化を招くことなく、木材消費が進むというサステナブルなシステムなのです。 また、消費者がFSC®ロゴマークの付いた製品を選ぶことは、適切な森林管理を行なっている林業者を支援し、「地球環境を考えない違法伐採による木材製品は使いません!」という意思表示にもなるのです。そして、世界の森林保全に貢献することにも繋がります。そうしたことからも、このFSC®️森林認証はSDGsをはじめ、環境負荷低減に取り組む多くの企業から注目されている制度なのです。

FSC®️森林認証を受けた用紙

FSC®️森林認証制度の仕組み

FSC®️森林認証制度では、責任ある森林管理から生産される木材とその製品を識別・認証し、消費者に届けることで、適切な森林管理を行っている林業者を消費者が支える仕組みを構築しています。 環境団体や林業者、林産物取引企業、先住民団体によって1994年に設立されて以来、多くの消費者や企業などからの支持を集め、世界で最も信頼度の高い森林認証制度として国際的に認知されています。

FSC®️認証紙と再生紙の違い

FSC®️認証紙と再生紙の違いを挙げるとすれば、まずは資源です。FSC®認証紙は、紙の原点となる森林そのものを資源ととらえ、環境保全と経済の両面を考慮した持続的な利用で「資源循環型の社会形成」を目指す取り組みの中から生まれてきます。一方で再生紙は、経済活動の活発化と共に上昇傾向にある紙の消費量に対する原料確保の観点から、現代では非常に重要性を高めている紙でもあります。ゴミ減量など資源の有効利用に大きく貢献し、グリーン購入法やエコマークでは古紙パルプ配合率が判断基準のひとつとされているほどです。 両者の特長をもっと分かりやすく言えば、FSC®認証紙が「森のリサイクル」、再生紙が「紙のリサイクル」を実現する紙。それぞれにメリットがあり、紙の使用も多様化する現代においては用途に合わせて使い分けることが重要であり、そうすることで活用度もさらに高まっていきます。

廃棄する用紙イメージ

FSC®️森林認証の取得の流れ

FSC®️森林認証制度は、「森林管理の認証( Forest Management:FM認証)」と、「加工・流通過程の管理の認証(Chain of Custody:CoC認証)」の2種類の認証制度です。世界的に統一された10の原則と70の基準に基づいて審査され、その審査基準は、森林に関係する世界中のさまざまな人の声を集め、環境・社会・経済のバランスをとって作られました。また、それぞれの原則と基準の下に各国の状況に合わせて作られた細かい指標があり、審査ですべての基準について大きな問題がないと確認された場合にのみ、認証が与えられるのです。 FM認証は、生物の多様性とそれに付随する価値や水資源、土壌、生態系、景観を保全し、適切な森林管理が行われていることを認証するもの。そして、COC(Chain of Custody:管理の連鎖)は、FSC®が認証した林産物の製品を普及させるため、製造・加工・流通のすべての過程において、認証材にそれ以外の材が混入しないように管理・製造されていることを認証するものです。認証材を使用した最終製品にFSC®マークをつけるためには、生産・流通・加工に関するすべての企業がCOC認証を取得する必要があります。
これを機に、みなさんも普段購入している製品のパッケージをちょっと注意深く見てみてください。お菓子をはじめいろんな製品のパッケージにFSC®マークが付いているので、購入することで森林保全にも貢献できます。製品を選ぶ際の選択肢の一つとして、FSC®マークを覚えておいてもらえると嬉しいです。

FSC®認証が取得されたパッケージ

FSC®️10の原則とは?

FSC®森林認証を取得する際の審査基準となるのが、10の原則と70の基準です。合法性や労働者・先住民族の権利といった項目に分けられた原則には、それぞれ細かな基準が設けられており、それらを総じた10の原則と70の基準に基づいて審査されます。ここでは、その10の原則をピックアップしてご紹介します。 原則1:合法性 法律や国際的な取り決めを守っている 原則2:労働者への権利 労働者の権利や安全が守られている 原則3:先住民族の権利 先住民族の権利を尊重している 原則4:地域社会との関係 地域社会の権利を守り、地域社会と良好な関係を保っている 原則5:森林からの便益 森林のもたらす多様な恵みを大切に活かして使っている 原則6:環境 環境を守り、悪影響を抑えている 原則7:管理計画 森林管理を適切に計画している 原則8:モニタリング 森の状態や管理状況を定期的にチェックしている 原則9:高い保護価値 保護すべき価値のある森などを守っている 原則10:管理活動の実施 管理活動を適切に実施している

森林管理の認証

FSC®️の認証木材は、FSC®️の責任ある森林管理の規格を満たした認証林から生産されます。そうした森林が責任を持って適切に管理されているかを審査し、認証するのがFM認証(森林管理の認証:Forest Management)です。しかし、「責任ある森林管理」や「適切な森林管理」と、何をもって言えるのかは少し気になるところ。ここでは、その言葉の真意をもう少し具対的に説明しようと思います。 「適切な森林管理」や「責任ある森林管理」という言葉は、FSC○Rの理念である「環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理」を意味したものであり、認証規格を具現化した言葉でもあるのです。そして、FM認証の審査基準には10の原則と70の基準があることはお話ししましたが、その下にある各国の細かな指標は約200もあります。そうした厳正な基準や指標をクリアしなければ、認証を受けることはできないのです。

加工・流通過程の管理の認証

2種類あるFSC®認証のもう一つが、CoC認証(加工・流通過程の管理の認証:Chain of Custody)。FM認証を受けた森林から収穫された認証材が、消費者の手に届くまでの加工・流通過程を認証するためのものです。 原則として、認証林から生産された木材でも、小売を除いて生産・加工・流通に関わるすべての企業がCoC認証を取得していなければ、FSC®製品として販売することはできません。

FSC®製品

FSC®️森林認証マークを表記するには?

FSC®️森林認証のロゴマークは、「環境・社会・経済的側面での厳しい規格のもと適正管理された森林木材による製品であること」を証明するものです。木材の伐採から製品に至るすべての工程(生産、流通、製造、管理)が、FSC®️(CoC)認証を受けている企業によって取り扱われていることが、FSC®️ロゴマーク表記の使用条件となります。

オンプロダクト使用の場合

FSC®️森林認証のロゴマーク使用方法には、「オンプロダクト(on-product)」使用と、「オフプロダクト(off-product)」使用の2種類があります。認証取得者によるオンプロダクト使用とは、FSC®️森林認証ロゴマークが物理的に目に見える状態で、認証製品やパッケージなどに付けられたもので、焼印、タグ、シール、刻印、印刷、透かし印刷、レーザ彫などを含みます。また、オンプロダクト使用が認められているのは、FM認証、CoC認証及びFM/CoC認証の取得者のみ。FSC®️森林認証ロゴマークは、FSC®️以外の森林認証制度と同時に使用することはできません。

オフプロダクト使用の場合

「オンプロダクト」とは異なるもう1種の使用方法が、「オフプロダクト」です。オフプロダクトにおけるFSC®️森林認証ロゴマークの使用とは、認証製品やそのパッケージではありません。パンフレットやポスター、カタログ、店頭のPOP広告、Webサイト、伝票類、名刺、封筒などを通じて、FSC®️のプロモーションやFSC®️認証製品、または認証を取得していることをPRすることを目的に、FSC®️ロゴマークを使用することを意味します。このオフプロダクト使用には認証林や認証製品のプロモーション、販売促進、FSC®️の一般的な説明なども含まれます。また、すべてのFSC®️認証取得者及び非認証取得者は、許可を得ることでFSC®️ロゴマークのオフプロダクト使用が認められるのです。

用紙イメージ

ホーナンドーはFSC®️森林認証紙や環境に配慮した用紙を採用しています

私たちホーナンドーでは、環境に配慮したFSC®️森林認証紙やSDGsの目標達成に貢献するバナナペーパーなど、さまざまなエコ用紙を採用しています。今のやり方を大きく変えるのではなく、まずは『紙』を変えるだけでも環境やSDGsへの貢献に繋がります。FSC®️森林認証紙やバナナペーパーはもちろん、他にもバンブーペーパー、レイクパピルスなど、地球環境に優しい紙を多彩にご用意。お客様のご要望に合わせた色々な提案、資料の紹介などもさせていただきますので、気軽にお問い合わせください。

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