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2020.10.28

エコ印刷の推進を通じて、環境問題に取り組む。

印刷業界は、遠い昔から環境問題と深く関わってきました。紙の原材料を確保するための森林伐採、印刷に使用するインキには有機溶剤が多く使われていること、印刷工程で生まれる廃液や排水、設備の使用時や配送時のCO2排出など、様々な環境負荷が存在します。しかし、リサイクルペーパーの活用や植物性インクの使用など、環境負荷を低減する取り組みも多数あるのです。今回は、環境問題と向き合うホーナンドーの取り組みも含め、エコ印刷についてお話します。

HONANDOのエコな印刷への取り組み

環境に優しいエコ印刷。そのメリット

ホーナンドーは、2010年よりエコアクション21を通じた環境活動を始めています。印刷時の電力使用量やガソリン使用量を抑えることでCO2排出量の削減に努め、廃棄物排出量や水使用量も削減。また、2019年8月からは、8色機にて水なし印刷も実施しています。現在では、これらの環境活動をふまえてSDGsの17項目のうち11項目において活動を続け、日々の環境負荷低減を実現しています。 私たちのような印刷サービス企業をはじめ、環境問題に取り組む企業としては、これまでのスタイルを抜本的に変えることだけが正解ではありません。例えば、紙を変えてみるだけでも、環境やSDCsへの貢献につながります。大切なのは、事業活動の中で、できることを実践すること。私たちホーナンドーのエコ印刷とは、環境に優しい印刷を日々考え、実践していくことなのです。そうすることで、この先も持続可能な商品の提供ができると思っています。

エコ印刷を示す環境ラベル

エコ印刷を示す環境ラベル

環境負荷低減に取り組む企業にとっては、その活動のこだわりや他社との差別化をできる限り多くの取引先、消費者に伝えたいものです。単なるPRではなく、企業として正しい情報を発信することで、環境保全にもつながっていきます。そうした点でも、環境ラベルは重要なコミュニケーションツール。エコアクション21やグリーンプリンティング認定工場、水なし印刷など、世の中には様々な環境ラベルがあります。ホーナンドーでは、環境に優しい印刷方法や材料を取り入れた独自の環境活動を通じて、エコ印刷を推進。現在、以下の環境ラベルを取得しています。

エコアクション21

エコアクション21は、環境省が策定した中小事業者などの環境への取り組みを促進する日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)で、あらゆる事業者が効果的、効率的、継続的に環境に取り組んでいただけるよう工夫されています。

水なし印刷

水なし印刷とは、印刷時に有害な廃液を排出しない「水なし平版方式」という技術を使い、印刷物を通じて地域社会の環境保全に貢献しています。 皆さまの印刷物にも、この「水なし印刷」を採用することで、皆さま自身が環境保全活動に大きく貢献していることになります。

FSC CoC認証

管理された森林から最終的なユーザーに届くまでに、製品は多くの加工製造、流通の段階をたどります。FSC CoC認証は、サプライチェーン全体を通じて製品が通る経路をすべて辿り、FSC認証原料がきちんと識別され、他の非認証製品と分別されているかを確認するものです。

SIAA

SIAA(抗菌製品技術協議会)とは、適正で安心できる抗菌加工製品の普及を目的とし、抗菌剤および抗菌加工製品のメーカー、抗菌試験機関が集まってできた団体です。業界だけではなく、消費者代表、専門家および行政などの幅広い意見を聞きながら、抗菌加工製品に求められる品質や安全性に関するルールを整備し、そのルールに適合した製品の安心のシンボルとして、SIAAマーク表示を認めています。

印刷用紙

印刷用紙に関わる環境問題

印刷と環境問題を語る上では、まずは用紙について知る必要があります。用紙と言っても様々ありますが、印刷に使用するコート紙や上質紙などは洋紙と呼ばれるものです。針葉樹や広葉樹などの木材を原料にしたパルプ材で作られています。洋紙を生産するには森林を伐採し、製造工程で大量の燃料や電気を使用することでCO2を排出し、水も大量に使うため、環境に与える影響は確かにあります。しかし、日本の製紙メーカーは十分な環境対策を行っており、国産材においては間伐された人工林低質材や計画的に伐採された天然林低質材が中心。また、輸入材においても、製紙用に植林された人工低質材が中心です。 ホーナンドーでは、これらの原材料から作られた洋紙をはじめ、一部では天然林資源も使用していますが、伐採や火災後に再生した天然二次林が由来のため、熱帯雨林などの原生林由来のものではありません。天然林資源を使用していると聞くと悪い印象を持たれるかもしれませんが、伝統的に林業に使用されてきた森林資源を再生可能な範囲で利用しているということです。 原材料の持続可能な調達が森林の成長に依存する上では、紙の消費量の増加に伴う原材料不足のリスクは確かに生じます。世界的に見ても紙の生産量が、年5%ずつ増加しているという事実もあります。しかし、森林資源は再生可能であり、伐採後に再生されていれば森林が減少することはありません。製紙会社や森林資源を活用する産業界では、農業に適さない土地などにも植林し、森林資源を持続可能にする取り組みを続けています。

エコな印刷用紙

エコな印刷用紙の種類

印刷用紙に関わる環境問題についてお話してきましたが、こちらでは環境に配慮したエコな用紙をご紹介します。ホーナンドーでも使用しているバナナペーパーをはじめ、牛乳パック再生紙や竹紙、エコ間伐材紙、サトウキビのしぼりカスを再利用したバガスペーパーなど、エコな印刷用紙には本当にたくさんの種類があるのです。

【FSC○R森林認証紙(COC認証)】森のリサイクルとして世界中が注目!

FSC○R森林認証紙は、「森林の管理や伐採が環境や地域社会に配慮して行われているかどうか」を評価・認証するFSC森林認証制度に基づき、適正に管理された森林木材による製品であることを証明した印刷用紙です。消費者がFSCロゴマークのついた製品を選ぶことで、適切な森林管理を行っている林業者を支援し、「地球環境を考えない違法伐採による木材性品は使わない!」という意思表示にもなります。また、世界の森林保全に貢献することにもつながるのです。

【間伐材紙】森の育成を支援!

間伐材紙とは、植林された森林の健全な育成のために伐採された間伐材を原料とした紙です。適切に間伐を行って管理された森林は、太い幹としっかりとした枝によって空気中のCO2を多量に吸収するため、地球の温暖化防止にも役立ちます。森林の健全な育成を支え、環境負荷低減にも貢献するエコな紙が、間伐材紙です。

印刷インキ

印刷インキに関わる環境問題

印刷における環境問題を考える上で、紙以外の印刷材料で着目しておきたいのが印刷インキです。印刷には欠かせないインキですが、VOCと呼ばれる揮発性有機溶剤を含有しているものもあり、環境負荷の要因ともなっています。こちらでは、印刷インキが及ぼす環境へのダメージについて述べていきます。

そもそも印刷インキとは?

印刷インキは大きく分けると、3つの要素から成り立っています。主剤となる「顔料」「ワニス」と、そこに加える若干の添加物(補助剤)です。これらの原料は、天然物から石油化学製品に至るまでの多種多様な化学物質。用途ごとの適性に応じて使い分けられており、 例えば「顔料」は色再現を、「ワニス」は顔料を分散して印刷素材に転移・固着させる働きを促すため。そして、添加物は、乾燥性や流動性といった印刷適性、印刷効果を調整する機能があります。 また、印刷インキという大きなカテゴリーはあるものの、印刷手法によっても製造方法や原料の材質は変わるのです。平版(オフセット)や凸版印刷用の場合は、最終的には高粘度状のものになります。グラビアやフレキソ印刷用の場合は低粘度の液状に、スクリーン印刷用はその中間の中粘度状に仕上げるなど、印刷手法に合わせた適正なインキが求められます。

印刷インキが環境に与える影響

印刷インキについて述べてきましたが、どのような点が環境負荷につながるかも説明していきます。例えば、オフセット印刷で使用する油性インキも、前述の通り「顔料」「ワニス」「添加物(補助剤)」から成り立っています。内容物を分類すると、以下のようになります。

顔料・・・・・有機顔料・無機顔料
ワニス・・・・・樹脂・溶剤・乾性油
添加物(補助剤)・・・・・耐摩擦剤・ドライヤー・裏付き防止剤・その他

そして、従来の油性インキで環境への影響があるとされているのが、以下のような問題です。

・ 溶剤として使われる鉱物油にVOC(揮発性有機溶剤)が含有されている
・ 樹脂内に環境ホルモン(内分泌撹乱物質:パラオクチルフェノール、ビスフェノールAなど)が含有されている
・ 鉱物油に重金属(マンガン、コバルトなど)が含有されている

中でもVOC(揮発性有機溶剤)は、インキを乾燥させる際に蒸発して大気に放出されることが問題になっているなど、上記の含有物は環境に悪影響を及ぼすと言われているのです。その一方で、環境に配慮したエコなインキの製造も進んでいます。現在では植物油インキをはじめとする環境対応型のインクが各メーカーから登場するなど、環境負荷低減への意識はよりいっそう高まっています。

環境保全を考えた印刷インキ

エコな印刷インキの種類

環境負荷につながる含有物を含んだ印刷インキが問題視されたことで、今、環境に優しいエコな印刷インキが多数登場しています。VOCをできるだけ低減した植物油インキ、VOCを1%未満に抑えたノンVOCインキ。また、インキ特有のニオイ低減に特化したにおわなインキなど、種類も本当に様々です。そんな環境対応型のインキをご紹介します。ホーナンドーでは、環境に優しいエコな印刷インキを使用し、抗菌印刷にも対応していますので、ぜひお問い合わせください。

【植物油インキ】廃棄油や植物油を再利用!

大豆インキに代わるこれからのスタンダードとして期待されているのが、植物油インキです。植物油インキは大豆インキ(SOY INK)とは異なり、大豆油だけではなく、再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油などの植物由来油、及びリサイクルした再生油を使用しています。また、大豆インキ(SOY INK)と同じように、インキ中の植物油の含有量が枚葉インキなら20%以上(但し、金、銀、パール、白インキは10%以上)という含有量も定められています。この条件をクリアしなければ、植物油インキとはみなされません。

【ノンVOCインキ】再生植物油99%以上!

現在、一般の印刷物に多く使われている従来の油性インキには、残念ながら大気汚染を招く危険性の高いVOC(揮発性有機溶剤)という有害物質を発生させる石油系溶剤が含まれています。その石油系溶剤を1%未満に抑えた印刷インキにが、ノンVOCインキです。VOCの発生を抑えるという大きなメリットがあり、植物油インキよりもさらに進化した環境に優しいエコな印刷インキです。

【バイオマスインキ】生物由来の資源を活用!

バイオマスインキは、石油由来である従来インキとは異なり、枯渇性資源に依存しないことで、持続可能な社会を実現させるための取り組みにもつながるインキです。植物は太陽光をエネルギーとした光合成により、大気中のCO2を吸収して成長するため、植物由来の環境対応インキは従来のインキよりも大気中のCO2を増加させません。また、従来の石化原料の印刷インキから、再生可能な生物由来の有機資源で化石資源を除いたものを原料とするバイオマスインキの使用は、枯渇することのないエネルギーや資源の活用にもなるのです。さらに植物由来のバイオマスは、成長過程でCO2を吸収しているため、CO2の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロの状態になる「カーボンニュートラル」にも寄与します。

印刷工程

印刷工程に関わる環境問題

印刷における環境問題について紙、インキについてお伝えしてきましたが、ここでは印刷工程をピックアップ。オフセット印刷と製版作業で生じる環境負荷について、詳しく解説していきます。

オフセット印刷の水問題

オフセット印刷機の場合、印刷しない部分に印刷インキが付着することを防ぐために湿し水を使用します。湿し水とは、刷版を湿らせる液体のこと。オフセット印刷の原理としては、刷版と呼ばれるアルミの印刷版上で、紙にインキがつく部分は親油性をもたせ、インキがつかない部分は親水性をもたせます。これは、水と油の原理です。湿し水は水道水だけでは無意味のため、エッチ液と呼ばれる添加剤を使用し、親水性とpHをコントロールして印刷を行うのです。そして、問題視されているのが、このエッチ液の含有物です。樹脂(アラビアゴム)や溶リン酸・塩酸などの酸(有機・無機)、防腐剤や酸化防止剤などを含む溶剤、IPA(イソプロピルアルコール)が併用されています。中でもIPAはVOC(揮発性有機溶剤)が含有されているだけではなく、引火性も高く、廃液も発生。環境負荷低減を考える上では、できるだけ使用を削減することが求められているのです。 このような湿し水を使わない水なし印刷については後述しますが、水あり印刷でも環境負荷に配慮することは可能です。まずは、CTP現像時に出る現像廃液を濃縮させて蒸留再生水と濃縮廃液に分離させます。そして、廃液を濃縮させることで、最終的な産業廃棄物は従来の最大1/8(体積比)にまで濃縮され、産廃処理量が大幅に削減されます。また、残りの再生水も下水放流・再利用でき、資源の有効活用が可能。さらには、処分に伴うCO2排出量も削減することができます。

製版作業で発生するフィルムの廃棄問題

今では遠い昔のように思える活版印刷の時代、印刷版である活字の鋳造の主原料に鉛が使われていたため、活版印刷の職人は鉛中毒検査が義務付けられていました。その後に普及してきたオフセット印刷では、印刷用の版はPS版と呼ばれるアルミ板に感光材が塗布されてものを、写真製版フィルムと密着して転写・現像することで作られていました。そして、写真製版工程では大量のフィルムを使用。最終的に製版フィルムの形で、在版として保存してきたのです。 そうした製版作業がデジタル技術の進展によってCTP(Computer To Plate)時代となり、組版レイアウトした版下データを直接刷版に転写できるようになりました。製版工程でもフィルムを一切使用することがなくなり、在版としての保管もデータ形式が大半。その結果、大量のフィルムが産廃物として廃棄されることもなくなり、現像液や定着液が廃液になることもなくなったのです。環境面から印刷を考えたとしても、これは非常に大きな進展と言えます。

環境保全を考えた印刷方法

エコな印刷方法

湿し水を使うオフセット印刷やデジタル化が進む前の製版作業における懸念を述べてきましたが、こちらではホーナンドーが現在取り組んでいるエコな印刷方法をご紹介。環境負荷低減を実現するエコな印刷方法は、印刷サービス企業としてはもちろん、社会を支える企業としても、とても重要な取り組みであると考えています。

【水なし印刷】オフセット印刷のデメリットを解消!

水なし印刷は湿し水を使用せず、印刷時に有害な廃液を排出しない「水なし平版方式」という技術を使った印刷方法。印刷物を通じて地域社会の環境保全に貢献していることから、環境保護印刷とも言えるほどの技術です。 昨今の地球規模での環境問題に対する取り組みやCSRなどの側面においても、水なし印刷を採用することで、環境保全活動に大きく貢献していることになります。 また、環境保護印刷の代名詞とも言える水なし印刷方式で印刷された印刷物には、協会が認定するバタフライロゴマークが付与されます。このマークを印刷物に掲載することで、企業・組織団体の環境的付加価値を高め、地域社会の環境保全に寄与することが可能。ホーナンドーでは2019年8月から、8色機にて水なし印刷を導入しています。

【デジタル印刷】フィルムの廃棄を0に!

デジタル印刷は、昔ながら製版ではなく、印刷用の版を必要としないところが、環境負荷低減の大きなメリットです。シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの組み合わせで構成された色を、デジタル印刷機で再現して印刷を行います。また、オフセット印刷の版は、その都度破棄が必要で、製版工程で使用する現像液や定着液も廃液として処分されますが、デジタル印刷ではこれらの消費も破棄もないのです。版の破棄も廃液も出ない、それが環境に優しいデジタル印刷の特長。世の中的にも製版からデジタル印刷への移行は、環境保全を考慮した印刷におけるエコな進化だと言えます。

HONANDO社員

エコ印刷ならホーナンドーにお任せください

ホーナンドーは、2010年よりエコアクション21を通した環境負荷低減の取り組みをスタートし、現在ではSDGsの17項目のうち、11項目での環境活動を行っています。 これまで様々なお客様と商品を作り上げていく中で、紙・印刷方法・加工方法・内職の仕方など、私たち独自の多様なノウハウがあります。作りたい製品、使用用途などご相談いただければ、環境にも配慮した適切な商品のご提案・ご提供ができると思っています。印刷のことはもちろん、環境対応型の商品などについてお悩みがあれば、いつでも気軽にご相談ください。

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